初亀のひやおろし と 酒の会

カテゴリー │日本酒の会

もうすぐ10月だと言うのに日中は

まだまだ暑い日が続きます。

秋らしい気候はいつになったら来るのでしょうか。

日本酒の世界では 秋のお酒がほぼ出尽くしたか・・

と思いきや まだまだ入荷します。




このお酒は今回初めてのお目見え。

初亀さんでは一昨年まで本醸造原酒の秋上がり

というお酒がありました。

蔵の純米重視のコンセプトから外れ廃番になってましたが

純米吟醸の秋あがりでは 価格が少し高いので

もう少し手ごろな価格の秋の酒はないのか

というリクエストに応え数量限定で発売されたのが

このお酒なんです。


◆初亀 特別純米 ひやおろし原酒 4BY


1.8L 3,355円(税込)
720ml 1,683円(税込)

兵庫県特A地区東条産山田錦を55から60%まで磨き

上槽後一回火入した原酒を蔵の冷蔵室で熟成

その後加水せずに瓶詰めされ

秋に出荷された特別純米ひやおろしです。

香りは静岡酒らしい粟系の穀物に

乳清が加味された落ち着いた芳香。

含むと酸は低く優しいまろみを帯びた口当たりに

原酒であることを忘れさせるも

やがてふくよかでキレイな旨みを伴う味わいが広がり

鼻に抜ける香りは清楚でキレも上々。

脂が乗った魚 香り豊かな秋の食材

などと共にお楽しみください。



そして この初亀も出るらしい

10月末に予定している酒の会のお知らせです。



出るらしい というのは

この会は私の息子が全てを取り仕切っており

どんなお酒が出るのか知らないからです。

HP 店頭や先日の酒の会などで告知を先行しており

定員まで あと5名様だそうです。

■酒屋8選 酒の会 2023

かたやま酒店で取り扱っている商品の中から

厳選した8種類の日本酒が出るようです。

★ 酒の会だから味わえる ワンランク上のいいお酒
★ じっくりと熟成 入荷したばかりの秋の定番ひやおろし
★ 絶妙な温度でお出しする しみじみとうまい燗酒
★ 酒屋だから選べる ちょっとマイナーな美味い酒

詳細はこちらです。




 

鳴海夕凪

カテゴリー │酒屋の仕事鑑評会



昨日は朝から名古屋へ出向き

名古屋国税局主催の

酒類鑑評会品質評価会へ

品質評価員の一人として参加しました。

今年で3年連続の出席です。

この評価会は二日間にわたって行われ

都合19名が審査を行い東海4県の64場

92点のお酒を利酒しました。

去年まではマークシート方式でカードに記入する手法

でしたが、今年からは タブレットに入力する手法へと

進化しており、最初はタブレットの扱いに不慣れで

戸惑いもありましたが

基本スマホと同じですからすぐに慣れ

スムーズに審査ができたのではないかと思います。

吟醸の部 と 純米吟醸の部に分けられており

伝統的酵母を使用した清酒 から始め

その他の酵母を使用した清酒も

香りの低いものから高いものへと順に

並べられ利酒する方法で進めました。

グルコースをしっかりと感じるお酒が多いのと

香りについては高いものもあれば

穏やかなものもあるものの

全体的にキレイなお酒ばかりです。

大吟醸 純米大吟醸 ですから当然ではあります。

ですから決め手は後半のキレと余韻に重点を置き

審査を進めていきました。

また口に入れた試料を全てを吐き出すのではなく

ごく少量ではありますが飲み込むことで

これはと思うお酒については点数を付けました。

92点すべてを終えるまで4時間弱かかり

終わってからは酔った感覚はありませんが

体力的にかなり疲れました。

酒蔵の皆様は真剣に造られているわけですから

こちらも真剣に評価しないと失礼に当たります。

これは心地よい疲れ とでも言いましょうか。




さて 東海4県とは全くかけ離れた

初めて取り扱う千葉県のお蔵のお酒のご紹介です。

鳴海(なるか)を醸す東灘醸造は

海と山に囲まれた千葉県勝浦という港町

に位置する蔵元で地元向けの

銘柄「東灘」と、直詰という手法でフレッシュさを

閉じ込めた限定流通である「鳴海(なるか)」の

2ブランドを展開しています。

かたやま酒店としては初めて仕入れるお蔵のお酒

となります。


◆鳴海 “夕凪” 純吟山田錦 うすにごり生 4BY


この純米吟醸の山田錦は

生もと造りの生酒で

「爽快なんだけど甘みを感じる味わい」という

コンセプトにしっかりと合致した1本です。

マスカットやライチのような爽快な香りに

生もとおりがらみ由来の乳を思わす

穏やかさも感じます。

含むとうすにごりのシュワッとした微活性感と

リンゴや桃を思わす甘みとともに広がる

旨味の幅が伴うも

その後ストンと落ちるような後切れの良さに

こりゃただものではないな

と素直に認識させられます。

日本酒度:-3 酸度:2.6 アミノ酸度:0.5

アル分13゜という振り幅の大きいこの数値を

見てもそれは感じ取れます。

仕入れ数量を減らされ 次回はいつ入荷するか

判らないお酒ですから、是非今のうちに

お買い求めください。










 

金賞酒を愛でる会2023

カテゴリー │日本酒の会

2023年9月23日と24日の二日に渡って

今年で13回目となる 金賞酒を愛でる会を

浜松市中区板屋町の 旬の料理大内さん

にて開催しました。

昨今の酒代や食材費の高騰もあり

参加費を 12000円と値上げしましたが

集客は例年通りにご予約をいただき

定員一杯のお客様にご参加いただきました。

金賞酒のラインナップは以下となります。



左から提供順に

①志太泉 大吟醸 全国金賞酒
23日は 志太泉 大吟醸 静岡会長賞酒

②臥龍梅 大吟醸 全国金賞酒

③神雷 大吟醸 千本錦 40% 全国金賞酒

④飛天山大吟醸 全国金賞酒

⑤ 蓬莱 大吟醸 超吟しずく 全国金賞酒

⑥雪の茅舎 製造番号酒 35%純米大吟醸生酒 1年熟成酒

⑦開運 波瀬正吉斗瓶取り 大吟醸 首-1



開始時刻1時間前に入りテーブルセットなど

準備が完了しお客様をお迎えするばかりです。

遅れる方も無く両日とも定刻通りにスタートしました。



まずは乾杯のお酒

志太泉 大吟醸 全国金賞酒

23日の土曜日は 志太泉 大吟醸 静岡会長賞酒

実はこの2種類のお酒の中身は同じもの。

静岡県の鑑評会では吟醸の部第2位

全国では金賞受賞となったわけです。

ちなみに 静岡吟醸の部の第一位は

最後にお出しする 開運です。

静岡酵母らしい穏やかな香り

綺麗な旨みと深みを感じさせ抜群のキレの1本。

合わせるお料理は 前菜として

干しわらびの白和え クコの実 穴子の棒寿司
百合根抹茶茶巾 いわしの梅煮 稲穂


稲穂は飾りではなくポップコーンのように揚げてあるので

白い部分は食せました。

茶巾ともども稲刈りをイメージする

和食ならではの季節の演出です。


大内の親方にご挨拶をいただきました。

今年も素晴らしいメニューをありがとうございます。



二番目のお酒は

臥龍梅 大吟醸 全国金賞酒

臥龍梅らしいふくよかな香りながらも

それほど強くなく落ち着いた芳香でもあります。

清冽な旨みが口中を駆けめぐり

やがて静かに消えていきます。

お料理は小鉢で

鯛(23日は鱧) 茄子 パプリカの南蛮漬け

甘酢の風味が大吟醸と見事に合いました。



三番目のお酒は

神雷 大吟醸 千本錦 40% 全国金賞酒

本日のお酒の中で唯一の山田錦以外の米

千本錦で醸された大吟醸です。

酵母は協会1801ですから一番香りが高い1本。

お料理は お椀で

南瓜すり流し ずんだ豆腐 うに

甘めの出汁と香り華やかなお酒は相性が良いですね。



四番目のお酒は

飛天山大吟醸 全国金賞酒

こちらも 1801酵母を使用しているので

パイナップルのような豊かな香りと

含んだときに広がるシルクのような口当たり

滑らかな甘みと旨みが特徴。

お料理は お造り

鮪のづけ はそのまま くえと縞あじはポン酢でいただきました。

ポン酢はフルーティなタイプのお酒にも合います。

お刺身もちょっと手を加えてご用意いただくことで

金賞酒の会ならではのハレのメニューとなりました。



五番目のお酒は

蓬莱 大吟醸 超吟しずく 全国金賞酒

ふくよかで軽やかな吟醸香と、清らかな水

のような落ち着いた深い味わいを楽しめました。

お料理は 炊き合わせ

モミジ(鹿肉) 石川芋 高野豆腐揚げ煮 つるむらさき

和食の粋を凝らした素朴でいて深い味わいの炊き合わせは

最高峰の大吟醸に伍するお料理と堪能しました。



六番目のお酒は

雪の茅舎 製造番号酒 35%純米大吟醸生酒 1年熟成酒

本日のラインナップで唯一の純米系

そして3BYの氷温熟成酒

金賞酒の範疇からは外れますがお酒の格としては

勝るとも劣らない1本です。

お料理は 揚げ物で

太刀魚 長芋 ズッキーニの東寺揚げ 万願寺しし唐

東寺揚げとは湯葉を用いた揚げ物なんですが

これが最高に美味で最後のお料理として相応しい一品でした。



お酒は7番目最後の1本としてすぐにお出ししたのが

開運 波瀬正吉斗瓶取り 大吟醸 首-1

このお酒が 今年の静岡県清酒鑑評会吟醸の部で

首席となったお酒と同じタンクからの瓶詰めです。

静岡酵母で醸された香り穏やかな1本で

穏やかなれども香りはふくよかに立ち

きれいな旨みはたっぷりと感じられ、ふくらみも豊か。

こちらもトリを飾るに相応しいお酒でした。



その波瀬正吉がまだグラスに残るうちに

お食事として出されたのが

丸十(さつまいも)と銀杏の炊き込み御飯 香の物

止め椀 が なめこと豆腐の味噌汁


皆さん 盛んにお代わりをされていました。





宴もたけなわとなり最後の締めをお客様にお願いし

二日間にわたる 金賞酒を愛でる会は無事終了。



ご参加いただいたお客様

美味しいお料理をご提供いただいた

大内の親方 そして女将さん スタッフの皆様

今回もありがとうございました。

そしてお客様の素敵な笑顔にめぐり会えたことを

主催者としてうれしく思います。

次回のイベントをお楽しみに。




 

土地の詩 秋の純米

カテゴリー │日本酒教室



静岡市の萩錦酒造さんから

この蔵のひやおろしとなる純米酒が入荷しました。

一回火入のこの純米酒は

ユニークなラベルと、正統派の静岡酒たる

コクとなめらかさが同居する酒質との対比が

面白い1本だと思います。


◆萩錦 土地の詩 秋の純米 4BY


1年を通じて一つのタンクのお酒の

季節による味わいの変化を楽しんでいただきたい

というコンセプトに基づき

今年の秋の純米は原酒で仕立てられています。

穏やかな中に静岡酒らしい米を意識する

爽やかな香りを感じ取れます。

含むと骨太の旨みとキリリと締まる後味が特徴。

このまま冷やも良し、少し温めると原酒ならではの

味のふくらみをお楽しみいただけます。





さて 昨日は日本酒教室でした。

テーマは 酒の歌 俳句編

以前 和歌編というのを行いましたが

今回は俳句です。

酒にまつわる俳句って 江戸期以降

星の数ほどありますが

松尾芭蕉から山口誓子まで

有名な俳人の句を21句用意し解説を試みました。

私は俳句をひねったりはしませんが

名句を嗜むのは好きです。

その中から生徒さんに受けが良かったのをいくつか。


酒を妻 つまを妾の 花見かな      宝井其角

妻と一緒に花見に来てるわけだが満開の桜の下で飲む酒は本当に美味い。
まぁ大きな声じゃ言えないけど、俺にとっちゃ、酒が本妻、妻が妾かな。 
やばいですね。今なら即離婚ですね。


酒十駄 ゆりもて行や 夏こだち   与謝蕪村

当時の酒造地である伊丹、池田などから京、大坂へ火入の済んだ酒樽を
夏木立の中を陸送している情景。一駄は四斗樽二つを馬の背中に載せること。
酒十駄とは十頭の馬と十人の馬方が通る様となります。
まるで映画のワンシーンのようです。


名月や 石の上なる 茶わん酒    小林一茶

風情のある美しい月を眺めながら飲むお酒は、きれいなお猪口ではなく
茶わんに入れたもので酒面に映る月を観ながら飲りたいものだ。
腰かけるのは石の上。口を付けるたびに広がるお酒の味わいが想像できます。

酒もすき  餅もすきなり  今朝の春   高浜虚子

若き虚子(18歳)が元日に子規に見せた句。いかにも自然で伸びやか
正月の楽しさが伝わってきます。 お酒は二十歳になってからにしましょう。


櫂入れて 金輪際に とどく見ゆ   後藤夜半

寒造りの酒蔵風景。夜半は虚子の門下で東灘区在住。
灘の酒蔵にて櫂入れ唄を歌いながらもと摺りを行う様子を吟じたのですが
当時としては当たり前の生もと造りです。
金輪際は  ひたすらにとか徹底的にという意。
見ゆは ただ見えるではなく感じられるという意味も含むそうです。



日本酒教室は10月から新たな6回コースが始まります。

酒にまつわるお話をいろいろな角度で取り上げます。

もちろん毎回 試飲も おつまみも あります。



◎粋に愉しむ 日本酒ワールド 金曜


◎粋に愉しむ 日本酒ワールド 木曜


浜松市近辺の方 いかがでしょうか。






 

白糸純米吟醸ひやおろし

カテゴリー │休日na Relo

久しぶりのブログアップです。

先日の連休を利用して北広島市の

エスコンフィールドを訪れました。

札幌に一泊して午前中に飛行機に乗る

弾丸旅行でしたがとても愉しめました。

エスコンフィールドはボールパークの名に恥じない

日本一の立派な施設でした。

野球の方は応援しているSBが負けがっかり

でしたが結果は二の次です。

しかし私がSBのビジター球場へ出向いてここ10年

ホークスが一度たりとも勝った試しがありません。

私は疫病神そのものですね。 (笑)

帰ってからはいろいろと仕事に追われましたが

まだご紹介していない ひやおろしがございます。



ラベルが読みにくいですが 白糸 です。

福岡県糸島市の白糸酒造さん。

この蔵のハネ木でやさしく搾った純米吟醸は

円みと気品の美麗なる ひやおろしです。


◆白糸55 純米吟醸ひやおろし 4BY

地元糸島産の山田錦を全量使用し

55%まで磨き丁寧に醸された

純米吟醸のひやおろしです。

『はね木搾り』は通常の槽による搾りの

2倍以上の時を費やしますが

それがこの円みと気品につながっていると言えるでしょう。

一回火入の生詰酒ですからフレッシュさと落ち着きの

両方を兼ね備えています。

香りは花を想わす芳香が穏やかに立ちます。

含むと、香り以上にスピード感を伴って広がる

キレイな果実味が、同時に円みと気品を主張します。

こちらの地域にはなかなか入荷しないお酒です。

是非お試しください。




さて 今週のna Reloは 懐かしき良き時代の名曲。

サザン色満載のナンバーですが

高田みづえさんが 見事に歌謡曲として世に出しましたね。



私はピアノ / 高田みづえ【Cover】Watashi-wa Piano by Mizue Takada




 

呑み切り一番 4BY入荷しました。

カテゴリー │酒屋の仕事Youtube

業務連絡です。

9月17日(日) と 18日(月) は

かたやま酒店の実店舗もネット店も連休となります。


よろしくお願いします。

さて 9月も半ばを過ぎたのに日中のみならず

朝方も相変わらず真夏のような暑さ。

早朝ランニングも全然爽やかに走れません。



そんな中 今年の呑み切り一番が入荷しました。

8月3日に土井酒造場にて試飲をし選定した

珠玉のお酒の発売です。

毎年八月に蔵へおもむき多くのタンクの酒をきき酒します。

数ある中から最も良いものをセレクトし

単一で瓶詰めしたものが

この「呑み切り一番」となります。

値上げラッシュの昨今

このお酒も去年よりは上がりましたが

最低限の価格に押さえました。

特別純米酒 1.8L 2,970円(税込)

特別純米酒 720ml 1,485円(税込)

特別本醸造 1.8L 2,200円(税込)

本音を言うと 純米はもう少し高くても・・・

と思いましたが

この酒質で一升瓶の税込価格を

3000円以内に抑えることが出来たのも

お蔵のご協力があればこそと感謝申し上げます。

また本醸造は、1.8Lで2200円(税込)なのに

今年も吟醸酒レベルの味わいです。




◆開運 呑み切り一番 特別純米酒 4BY

香りは穏やかで蜜の芳香がかすかに立ちます。

含むと美麗で透明感を伴う旨みが広がり

純米酒のレベルを大きく越えていることを確信します。

そして含み香の淑やかなこと極まりない。

後口にほのかな辛さを残しながらも

ほどよくキレていきます。

いわゆる苦味とか雑味のたぐいは最後まで皆無。

上質感に満ち溢れ見事に癒されます。



◆開運 呑み切り一番 特別本醸造 4BY

香りは控え目なれど

含むと旨みがしっかりと感じられ

口中での味の広がりは

コクを意識させながらもスムーズ。

清冽で鋭角のキレ味がとても印象的で

後口に辛さを残しながら綺麗に消えていきます。

マイルド、軽快な味わいは例年と変わりません。

吟醸酒の如く とはこの後半の味わいを表現します。

冷やも良し、冷やしても良し、燗もまた良し。



保坂修平さんのソロピアノの演奏。

彼は素材のメロディを大切にしながらも

独自の世界に聴き手を誘うので好きです。

この曲 と言うか歌は いつ聴いても

沁みますね。

いろんなことを思い出してしまいます。


秋の気配/オフコース Sings of autumn / Off Course







 

南の ひやおろし

カテゴリー │Youtube

ひやおろしのお酒って もうこんなにあるんですか?

これは お店にお越しになったお客様の

率直で正直な感想でしょう。

9月もようやく半ばとなったものの

まだまだ日中は暑い今日この頃。

秋風の気配はとんと感じませんが

日本酒の世界では 秋真っ盛り なんです。

その ひやおろし・秋あがりのお酒

年々蔵元からの出荷のタイミングが早くなり

これは 搾りたて もそうなんですが

季節を先取りしすぎ のきらいはあるものの

今現在25アイテムの ひやおろしがあります。


この先 まだ入荷します。



さて そんな中から本日ご紹介するのは

高知県の 南のひやおろしです。


◆南 特別純米 ひやおろし 出羽燦々 4BY


春先に搾った新酒を一回だけ火入れし

低温熟成させたものが

このひやおろし純米です。

今年も山形県産出羽燦々にて仕込まれました。

香りはセーブされるも

ふっくらとした米の旨味 後キレの良さが光る

全体に落ち着きと味わいの純米酒

として楽しめます。

日本酒度+8 の辛口ですが

しなやかで軽快な口当たりに

南らしさを感じますね。

蔵の在庫は完売だそうですので

是非 お早めにお買い求めください。


秋の音楽 いろいろとありますが

ジャズナンバーからはこの曲。

愛らしかった夏の夢が消えてしまった

柳よ私のために泣いておくれ

と 別れを唄います。

この曲 作ったのは女性なんです。

ギター 浅葉裕文さんと ベース 矢野伸行さんのデュオで。


" Willow weep for me " 2023. Jazz guitar and bass duo



 

七田ひやおろし

カテゴリー │Youtube

勝駒の9月分が入荷しました。

今月から純米吟醸と大吟醸の入荷は

ございません。

純米酒 と 特別本醸造 のみとなります。

店売りオンリーでお待ちしております。



今月23日と24日に予定している

金賞酒を愛でる会は

おかげさまで両日とも定員一杯となりました。

ご予約いただいたお客様 ありがとうございます。




さて ひやおろしのお酒が続々と入荷していますが

このお酒を取り上げるのを忘れておりました。

良質の酒造好適米をあえて磨かずに醸す

というコンセプトの純米酒です。

愛山 と 雄町 の2種類があり

飲み比べていただきたいお酒です。


◆七田 純米七割五分磨き 愛山ひやおろし 4BY

全量愛山で75%精米にて醸した純米が

この“七割五分磨き・愛山”です。

品質的に素晴らしくパワーのある酒米は

あえて削らずに丁寧に醸すことで

新たな魅力にめぐり合え

米本来の個性を確かめることが出来ます。

春に出た生酒をブレートヒーターにて一回火入れ。

香りはザクロやびわのような和の果実を連想。

含むと穏やかな酸が顔を出し

舌の上に米のエキスを漂わせます。

鼻に抜ける香りに熟成による落ち着いた

錬成の旨みと愛山特有の上品な甘みを残し

やがて静かに切れていきます。


◆七田 純米七割五分磨き 雄町ひやおろし 4BY

香りはバナナのようでもあり

黒蜜のような複雑な和の芳香も漂います。

含むと穏やかな酸と舌をマイルドに

包み込むような奥ゆかしい雄町らしい

味わいの幅を感じます。

半年熟成させることで味の広がりに

落ち着きと気品が加味されています。

鼻に抜ける香りは、イチジクとも柿とも表現できる

ふるさとの果物の落ち着いた甘みの再現。

後口は、ほのかに酸を残しながら

心地良く上品なコクと余韻を残します。

どちらのお酒も秋の味覚との相性抜群の食中酒です。



さて 先々週の静岡でのライブでも聴けた

ピアノの保坂修平さん。

盛んにYoutubeにご自身の演奏をアップされていますが

直近のナンバーは 美しく 渋き バラード

ビリー・ストレイホーンの

Star-Crossed Lovers

シェークスピアオタク のストレイホーンが

ロミオとジュリエットを意識したかどうかは不明ですが

不運な恋人たち というタイトルで既存の作品を

改題して世に出したとか。

ベースがメロディを奏でたりと独特の世界観が印象的な

保坂さんの演奏も素敵です。

The Star-Crossed Lovers (Piano Cover) Ellington, Strayhorn





 

萩錦 試験醸造

カテゴリー │日本酒教室Youtube

昨日は台風が上陸するのかと思っていたら

熱帯低気圧に変わって東へそれていきました。

実は 昨日日本酒教室が予定されていたのですが

一昨日の情報で台風が来る ということで

開催を一週間先延ばしにしました。

弁当手配の締めが一日前につき

決断せざるを得なかった訳です。

結果的に雨もそれほど降らずほとんど影響が無かったわけですが

もし台風が来て教室が中止になり弁当を10人分引き取る

という事態だけは避けたかったのです。

一週間先だと参加できない という方も

いらっしゃるかもしれませんが ごめんなさい。




さて 静岡市のご夫婦で醸される蔵萩錦酒造さんから

試験醸造酒が入荷しました。

一般的に試験醸造 と言うのは

試しに造ってみて今後の正式販売に繋げる

というコンセプトが考えられますが

このお酒は正真正銘一回限りの試験醸造です。

なぜなら 原料米の誉富士は今年から栽培されてません。

つまり最後の誉富士を使い生酛造りで醸された

お酒だからです。

萩錦さんでは毎年造り手である杜氏と社長が

自分たちの造りたい酒を提案し

小仕込みタンク1本を醸造されているのですが

4BYの今年は 誉富士での生もと造り。

規格は純米酒ながら

特定名称酒の表示はされていませんので

酒税法上の位置づけは普通酒となります。

そんな 普通でないことばかりの普通酒ですが

これがなかなか 良い酒なんです。


◆萩錦 試験醸造 誉富士 生酛 4BY

一回火入後蔵内で常温瓶貯蔵された

一回限りの“試験醸造”。

香りはどこまでも穏やか、いや静謐と表現する方

がしっくりと来るでしょう。

いわゆる生もとにありがちな乳清や穀物系

熟した果実系の香りはほとんど感じません。

含むと、これも静謐さが漂い

酸のアタックもごくわずか。

ただ鼻に抜ける風味に

きれいな白糠を想わす米を意識させられます。

後口の余韻はどこまでも清冽で

抜群のキレ味を残し苦味や渋みの

たぐいはほとんど残しません。

一見味のない酒か・・と思いがちですが

いやいやこのお酒の持つ

軽やかで堪能な個性は秀逸です。

一升瓶だけの発売ですが、常温保管もOKですので

ぜひチャレンジしてみてください。



最近 Youtubeをきっかけに、このギタリストにハマってます。

むかし米国にバーニー・ケッセル というジャズギタリストが

居たのですが、彼のアルバムはレコードで何枚か持ってます。

そのバーニー・ケッセルを敬愛する日本人ギタリストが

浅葉裕文(あさばひろふみ) さんです。

で 彼がYoutubeで披露している演奏は

ファンキーで明るく シンプルでいて楽しく なかなか深い。

その中に ヴィブラフォン と共演してクライ・ミー・ア・リバーを

演っているのを見つけました。

クライ・ミー・ア・リバー と言えば ジュリー・ロンドンの唄と

バーニー・ケッセルの伴奏の印象が強烈すぎて

他の歌い手のバージョンは聴く気になりませんが

ヴィブラフォン がメロディを奏でると

また違う雰囲気が出てとってもいい感じ。


Cry me a river , Jazz guitar , bass and vibraphone. Julie London Barney
Kessel




 

十六代九郎右衛門  海野雅威トリオ

カテゴリー │CDジャズライブYoutube

今年 ロンドンで開催された世界最大規模の

ワイン品評会 「IWC 2023」のSAKE部門において

最高賞「チャンピオン・サケ」を受賞されたのが

「十六代九郎右衛門」を醸す長野県木曽郡木祖村

に蔵を構える湯川酒造店さん。

今、ノリに乗っている蔵元です。

1650年(慶安3年)に創業し

全国の酒蔵の中で2番目の標高(936メートル)

に位置する酒蔵で

杜氏・湯川慎一さんと社長・尚子さんの夫婦が中心となり

木祖村の立地を最大限に活かした日本酒を醸されています。



今回ご紹介するのは コンセプトワーカーズコレクションの

PBオリジナル酒です。

このラベルは明らかに秋を連想させますが

決して ひやおろし・秋上がりのたぐいではありません。

3年前より1年ずつ熟成させたものを毎年リリースし続け

今期の3年熟成が最後の商品ということで

秋にちなんだラベルとなったそうです。

年間平均気温9.2℃の土地で瓶詰後常温で

熟成されたお酒です。

昨年と比べ、どちらも角が取れ味わいに丸みと

コクが生まれています。

熟し香ヒネ香のたぐいはあまり感じません。

使用米は長野県生まれの「金紋錦」。

ルーツから察するに、熟成に向くお米と言えます。


◆十六代九郎右衛門 「柿」純米三年熟成酒 生もと

生もとの「柿」は淡いレモンイエローの色調。

黄桃の香りにライムのような爽やかなニュアンス

もあります。

飲み口はエッジの効いた酸を感じ

余韻にほっこりする味幅を感じます。

熟成によりゆっくりと引き出された旨味は

味付けの濃い料理にもうってつけです。

燗ならなおよし。

ややガス感が残っていることから花冷えから

常温ぬる燗まで。

食欲の秋に寄り添う逸品となっています。


◆十六代九郎右衛門 「栗」 純米三年熟成酒 山廃

山廃もとの「栗」は、「柿」と比べると

より濃い色調です。

ヨーグルトのようなシャープな酸の香りを感じ

飲み口はクリーミーさを感じふくよかな旨味と

後口の程よい渋みが味わいをまとめています。

山椒のようなスパイシーさもあり

食欲を促します。

どちらの商品も、燗ならなおよし。

「栗」は常温~飛び切り燗がオススメ。

こちらも食欲の秋に寄り添う逸品です。



さて 昨夜は ハーミットドルフィンにてジャズライブ

お酒の写真の隅になにげに写っているのは

そこでゲットしたピアノの海野雅威さんの新譜です。



サインをお願いすると向こうから

片山さんお久しぶり と話しかけてくれ

地酒かたやま と入れてくれました。(自己満足)



この日は 鈴木良雄 トリオ の一人としての出演。

お三方とも素晴らしいパフォーマンス

海野くんのピアノは明快でホットで

円熟の境地に達しているなあ

そんなことを感じながらのライブでした。

チンさんのベースも 俊輔くんのドラムスも

素晴らしかった。

チンさんは とても今年喜寿 とは思えない。

正確なビートを刻み最高のグルーヴ感を醸し出す。

相変わらず ダジャレが多いですが。(笑)

海野(うみの)俊輔くんのドラムもキレッキレで迫力満点。

素敵な時間を過ごせました。

新譜 『I Am, Because You Are』 から

オリジナルの素敵なワルツです。

Eugene's Waltz TADATAKA UNNO NY TRIO



 

小夜衣 彗星50

カテゴリー │酒屋の仕事na Relo

朝から雨が続く本日も入荷ラッシュでした。

夜はジャズライブに行く予定につき

ダッシュで仕事をこなしました。



このお酒 去年も秋に入荷したのですが

価格のわりには予想以上に動きが良く


特に 業務筋からの引き合いが多かったですね。

で 今年のお酒はどうかと早速に試飲をすると

酵母が701号から901号に変わったものの

その違いはほとんど感じません。

今年も いい酒 です。


◆小夜衣 彗星50 純米吟醸生原酒 4BY

北海道で開発された酒造好適米

彗星(すいせい)を50%精米し

箱麹、協会901酵母、赤いヤブタで

仕込まれた生原酒を

7カ月以上冷蔵庫で瓶貯蔵し出荷されました。

グラスに注ぐとほんのり山吹色を呈しています。

香りはとても穏やかで

キャラの芳香をかすかにイメージします。

含むとこなれた旨味がストレートに広がり

品の良い甘みの充足感に癒されます。

同時に低温熟成の賜物たる丸みを感じるも

生ヒネや苦味、渋みのような風味は皆無です。

後味の余韻に錬成の米の風味が返ってくるところなど

いろいろな秋のお料理に伍する食中酒としての存在感

を見事に確立していると言えるでしょう。

これもお薦めです。



さて 久しぶりのna Reloは ニール・セダカのこのナンバー

と言っても 私は ニール・セダカはリアルタイムではありません。

学生時代に好きだったハイファイセットのアルバムに

恋の日記 という曲があり とても好きだった。

いまでも時々カラオケで唄いますが

そのオリジナルがニール・セダカ というわけ。

na Relo は こういうオールディーズが一番似合いますね。

悲しき慕情【Cover】Breaking Up Is Hard to Do - Neil Sedaka



 

志太泉ひやおろし

カテゴリー │酒屋の仕事

今日は ひやおろし・秋上がりの日本酒が

鬼のように入荷しました。

午前中から夕刻まで

その作業に追われる一日。



で 店頭にこんなポスターを貼りました。

まずは1本ずつ じっくりとご紹介します。

なんて のんびりしたことを言ってると

明日もまた入荷して大変なことになりそうですが

地道にやりましょう。




味わいのノリが抜群の秋の本命酒です。


◆志太泉 ひやおろし純米原酒 4BY

兵庫産山田錦を60%精米し

春に純米生原酒として発売されたお酒を

一回火入れ後冷蔵庫で夏を越しました。

ですから味わいのノリが良い純米酒に

深みが加わっています。

静岡酵母ならではの、清楚で落ち着いた香り。

この香りの質を構成するのは和の果物のごとし。

色がかすかについていて

山田錦ならではのキレイな口当たり。

やがて口中に広がる旨みに

甘みを伴う熟成感も少し感じ取れます。

含み香も上品で後口に返す酸はスリムで軽快です。

食中酒として秋のご馳走を盛り立て自然と杯が進む

そんな1本としてお薦めいたします。


もう1本は 普通酒のひやおろしです。

精米歩合70%の普通酒なれど

槽で搾られたこのお酒 侮れません。

◆志太泉 ひやおろし普通原酒ふねしぼり

普通酒規格の醪を、ヤブタ式ではなく袋に詰め

手作業で槽(ふね)で搾った原酒のひやおろしです。

かすかに色が付いており

香りは虎屋の羊羹 夜の梅を彷彿とします。

含むと普通酒とは思えない上品で艶やかな口当たり。

それでいて原酒ならではの鋭角なエッジの効き

さらに味の深みもあります。

後半の引きの良さも勘案すると、この価格は出色。

どちらも是非お試しください。



 

白隠正宗 生もと秋あがり

カテゴリー │酒屋の仕事

酒屋の愚痴です。

酒屋専用のレジ連動のシステムがあり

30年来契約を続けているのですが

最新機種のソフトに不具合があり

小さな損を し続けています。

それは パソコンで単価を修正後

以前の機種はすぐにレジに修正後の単価が

反映されたのですが、最新の機種は

レジを再起動させないと反映されないのです。

つまり 営業時間中にレジを再起動させるって

5分以上時間がかかるので、現実的ではないのです。

今般の値上げラッシュで入荷する季節商品は

去年に対してほとんど価格が変わっています。

ところが レジですぐに反映されないものですから

気を付けてはいるのですが、思わず

去年の価格で販売したりなんかして・・・・・。

お客様はラッキー。

私は アンラッキー。




今日も そんな間違いをしてしまったお酒のご紹介です。(・ω・)\バシッ


◆白隠正宗 秋あがり 生もと純米酒 4BY

富士山の伏流水、静岡酵母

上槽は昔ながらのヤエガキ式と

手造りで丁寧に醸された生もとの秋あがり。

色はやや山吹色に佇みます。

香りは米酢あるいは練れた米粉のようでもあり

秋の和の熟した果物のようでもあり。

含むとやや辛口で酸は穏やかです。

今年は生もとらしさがしっかりと表現されており

やがてまるい旨みを堪能できるお酒です。

このまま常温でも、燗をしてもOKの

秋の食材に合わせたい純米酒としてお奨めします。

フルーティな香りのお酒に飽きた方。

辛口が好きだけど旨みも欲しい という方。

適度な酸味がなければお酒ではない という方。

そんなあなたの嗜好に 正にぴったりですよ。






 

初亀純米吟醸秋あがり

カテゴリー │ジャズライブ日本酒の会Youtube

9月になり早朝の風はだいぶんと涼しくなりました。

先日来告知しております

金賞酒を愛でる会

9月の 23日、24日と二夜連続で行いますが

定員まで 23日土曜は あと5名様

24日日曜は あと1名様 となっております。

興味のある方はお一人でも結構ですので

どうぞご参加ください。

詳細はこちらです。




さて 9月に入り日本酒の世界では

ひやおろし・秋あがり が本格的に入荷します。

9月初っ端にご紹介するのはこちら。

純米吟醸の秋あがり。

静岡酒らしい 香り穏やか 飲み口軽やか

秋の食を引き立てる最高の1本です。


◆初亀 純米吟醸 秋あがり 4BY

兵庫県特A地区東条産山田錦55%まで磨き

上槽後一回火入ののち

蔵の冷蔵室で熟成された、秋あがりの純米吟醸です。

初亀らしい軽快感はそのままに

ひと夏を越え熟成により

引き出されたお米の優しい旨みと

マイルドな酸が口中に広がります。

食中純米吟醸としての存在感を示す1本です。

上品な秋の味覚と共にお楽しみください。




一緒に写るは 大学時代の友人と日本酒教室の飲み仲間

最後に 先日静岡市のライフタイムで行われた

飯田さつきさんのライブに出かけた件。

彼女は今から8年前に

『ジャズを聴きながら開運を楽しむ会』 というイベントに

出演していただきました。

コロナ禍で消滅してしまったイベントです。

再開を望む声をときどきいただくのですが

ライブ会場が閉鎖されたままですので

いかんともし難いですね。

その飯田さつきさん。

すっかりと大人のシンガーとなり

ジャズヴォーカリストとしての実力、人気も急上昇。

充実のライブでした。

そのメンバー (ストリングスはヴァイオリンのみ)

が演奏する映像がありますのでご覧ください。

初見の方は さつきさんのヴィジュアルと声との格差に

驚くと思います。

A Lover's Concerto 

サラ・ヴォーンのアルバム持ってました。

飯田さつき『A Lover's Concerto』ミュージックビデオ