ひやおろし規格の辛口純米 高砂

カテゴリー │

ひやおろし のお酒が毎日入荷しますが

本来なら ひやおろし と明記すべき肩ラペルに

する~   ふんわり    スパッ

と印字されたお酒があります。

冬に搾られ すぐに火入れされ 原酒のままタンク貯蔵

夏に 呑み切りを行い 数多あるタンクの中から選ばれし1本

これはどう見ても ひやおろし です。

しかし 商品名は シンプルに

純米辛口 生詰原酒


そう来ましたか。



では 試飲をしてみましょう。

色はかすかに 山吹色がかっています。

グラスの側面に漂う粘性は 弱含みでしょうか。

香りは、米びつから漂う白米の香りに似ています。

熟した柿のようなニュアンスもあります。

口に含むと、凝縮された旨みがふんわりと一杯に広がります。

肩ラベル の ふんわり  は納得します。 

する~  というのは 口に含めば なんでも する~

ですから さもありなんですね。

舌の奥で感じる酸味は辛口純米ならではのもの。

後口は意外とさっぱりするものの

スパッ と切れる とまでは行かず 

辛口純米の足跡をしっかりと残します。


いずれにせよ  これからの季節 キンキンに冷さず

むしろ常温で 味がふくらむのを待つぐらいが良いでしょう。

温めても 辛さを維持する純米酒です。

グルコースたっぷりのスイートで香りが華やかなお酒はどうも・・・

という方には うってつけです。



◆高砂 純米辛口生詰原酒 30BY



1.8L 2981円(税込)
720ml 1555円(税込)




 

開運ひやおろし 入荷

カテゴリー │業界の話

先日 浜松の街中で料飲店を経営していた

坂本晃彦氏を偲ぶ会 に呼ばれ参加しました。

彼とのお突き合いは、かれこれ25年ぐらいになったでしょうか。

最初は 駅前の地下のお店で、ふとっぱらに魚料理を出す

今となればそういうスタイルは普通なんでしょうが

当時はもの珍しさも手伝い、すごく繁盛していた思い出があります。

彼とは 何度か酒蔵を巡り実際に造りに携わったりしたこともあります。

あっけなく50歳の若さで逝ってしまわれましたが、いろんな足跡を

浜松に残したことは間違いないでしょう。

ご冥福をお祈りします。

やすらかに と言ってもあちらの世界でも

酒を飲んで 魚を切って 若いやつに酒の飲み方を説教してるかな (涙笑)




さて そんな彼も愛したお酒の一つが 開運 です。

その開運の ひやおろし純米が 今年も入荷しました。

先日 蔵で試飲をさせていただきましたが、改めて入荷した

お酒を利くと、今年は米の旨みを意識させられる仕上がりです。

◆開運 ひやおろし純米 30BY

冬に仕込んだお酒をタンクで貯蔵し、秋に火入れ

をせずに瓶詰めする、いわゆる生詰めのお酒。

ひと夏熟成させることで、新酒の荒々しさが消え、

丸みのある酒質となります。

上立香は穏やかでいて、ほのかに白檀の高貴なニュアンスも。

含むと丸みと味のふくらみを感じ、米の旨みを意識させる

味の輪郭の主張も明確に感じとれます。

やがて鼻に抜ける香りに品格の良さを認識でき

後口のなめらかな余韻も素晴らしいです。

当店にて試飲出来ます。

徒歩か  ランニングか 代行運転でお越しください。(・ω・)\バシッ






 

芳醇な旨口酒 西條鶴ひやおろし

カテゴリー │

夏の酒が年々早くなり4月末には出荷が始まる今日この頃。

秋の酒 ひやおろしも ご多分に漏れず 年々早まります。

処暑 となるこの時期

つまり 暑さが落ち着くこの時期に

早くも ひやおろし第一号が入荷しました。



が、 このお酒 あまたあるひやおろしの中の1本

というくくりでは 十分にその魅力を伝えきれない

かもしれないので、 試飲したときの味わいを克明に記します。

◆西條鶴 無濾過純米 ひやおろし 30BY
このお酒は、瓶詰め後火入れ急冷し定温15℃の熟成庫にて保管されました。

無濾過純米 と言っても生酒ではありません。

厳密には 一回火入の生詰め酒に位置します。

5℃以下の冷蔵ではなく 室温に近い15℃での低温保管

というのが 一つの ポイントとなります。

ですから、夏を越しほどよく熟成され無濾過純米ならではの旨みが秀逸。

香りはパウンドケーキのようでもあり、ブドウ・桃・パインなど

熟成による様々な芳香が混在し一体化しています。

含むとスイートでチャーミングな苺とも柿とも形容できる

芳醇旨口タイプですが、口中に広がる含み香がとても美麗。

官能的には酸は穏やかでコクもあり後半の鎮まりは

スムースに展開しスッと切れて行きます。

そして 米の旨みに集約されるコクとまろやかさに帰結するのです。

常温でも冷やしてもOK。

ぬる燗もまろやかさが更に増幅します。

冷やして 鰹のタタキ カルパッチョ

常温で 魚の塩焼き、煮つけ、キノコ、秋ナスと幅広く秋の味覚に

ソースともガチ合いますから お好み焼きとの相性も抜群でしょう。

淡麗辛口 のような酒  味のないすっきりとした酒が好き

とおっしゃる方にはお奨め致しません。






 

呑み切り一番 の選定を行いました。

カテゴリー │酒屋の仕事酒蔵訪問

令和元年 8月21日 掛川市の土井酒造場さんを訪れ

毎年恒例の 開運・呑み切り一番の選定作業を実施しました。

この作業も 今年で なんと27年目。

最初は20名ぐらいの同業者の方が居たのですが

今や会員は9名 呑み切りに参加した現役の酒屋は

たったの3名。

これが この業界の現実です。

しかし 開運のお酒の品質は27年前と比べても遜色ないし

むしろ進化しているとも言えます。

それが証拠に 当店の販売数量は毎年確実に伸びています。

取り扱う店が減った というだけで、全体の仕入数はほぼ横ばい。

そんな 前置きをしてから 昨日の様子をご報告。

選定には 現役の酒屋+引退された酒屋さん

そして 帳合先でもある酒類問屋の担当の方が1名の

計5名が立ち会いました。



特別本醸造 9種類  特別純米酒 7種類 のサンプルが

300mlに入れて並べてあります。

ちなみに 右奥で包装作業をされているのは 榛葉杜氏です。

夏場はどんな仕事でもしますよ・・・と笑顔でおっしゃってました。

このお酒たちは 冬に搾って一回火入を行い、冷蔵タンクで

半年ほど寝かせたもので、瓶詰め時の火入れはせずに

生詰めの状態で出荷される いわゆる ひやおろし規格のお酒。

8月ころにタンクから取り出し利き酒をするその作業を

呑み切り と言います。

その中から 私たちが一番と確信したお酒を買い入れることから

呑み切り一番  という商品名で販売するのです。


まずは 本醸造の選定から開始します。

9種類のお酒の香りと味わいを利くのですが、決して呑みこみません。

口に含んで舌の上で転がして すべてハキに出します。


私も真剣に利きます。

それぞれ微妙ではありますが、香りの立ち具合

含んだ時の味わいの強弱 口中で広がる酸味旨み

そして 吐いたあとの余韻など 少しずつ違います。


各人 3票づつお気に入りの番号を記入して提出し

上位2つを選んだところ、タンク№ 111 と 505 が選出。

再度利き酒をして どちらかに挙手をした結果


3対2 の僅差で 505番に決定しました。

このお酒は あとからスペックを聞いたところ

日本酒度+5 酸度1.5 で 開運としては辛口の部類に入りますが

旨みが芳醇に留まるところが決め手でした。

私も 最初の段階から目を付けていました。


土井会長も 選定後に利き酒をされます。


次は 純米酒の選定です。

7種類の中から1本を選ぶのですが、最初から光った1本がありました。

2票づつ投票した結果 その光った1本に最多の3票が入り

それで決定しても良かったのですが、2票入った3種類も

改めて利いて一つに絞ることにしました。


つまり 光った1本と 改めて選出した1本を再度利き

2者択一の最終審査をしたわけです。


結果、全員一致で 光った1本 240番に決まりました。

このお酒のポイントは なんといってもキレの良さ。

後口に漂う美麗な旨味は出色です。

まさに 純米吟醸を名乗っても申し分のないお酒です。

スペックは 山田錦55%精米 酵母は静岡NO-2

日本酒度±0  酸度1.4 でした。


この呑み切りでは 他の純米酒 純米吟醸 純米大吟醸

なども利くことが出来ました。

杜氏さんも作業を中断して参加されましたが、ハキを片手とは

段取りがいいですね。


最後に利いたのは 今年の 開運ひやおろし純米

この日に瓶詰めされたばかりのお酒です。

こちらは キリリ とした飲み口で やや辛口タイプ。

呑み切り一番との味わいの違いが如実に感じられます。

近々に入荷しますので、お楽しみに。

さて 呑み切り一番の発売は10月1日 です。

入荷は 9月末の見込みですので、増税前には

お買上げいただけると思います。

今年もご期待ください。.





 

ガス感とふくよかな旨み 萩乃露山田穂

カテゴリー │ランニング

早朝ランは 馬込川北上コース10キロ

少し涼しくなったからか、久々の キロ6分切りにて

10キロを完走。

日陰で感じる風は確かに涼やか。

秋は確実にそこまで迫っています。

さて これから涼しくなる季節に ガス感たっぷりの

フレッシュ生酒は いかがでしょうか。

ひやおろしのような 穏やかな旨みと熟成感ではなく

直汲みの生酒の冷蔵短期熟成による

グッと押し寄せてくる旨味の1本です。



◆萩乃露 「風Kaze」 純米吟醸 山田穂 直汲み生 30BY


1.8L 3240円(税込)
720ml 1728円(税込)

萩乃露の ガス感たっぷり直汲み生酒シリーズの米違いです。

今回は 山田穂(やまだぼ)

山田穂は山田錦の母となるお米で明治10年頃に

発見され試作を繰り返されたという歴史を持つ米で

今回は60%精米、9号酵母にて仕込まれました。

相変わらず直汲みによるガスの残存は多く

グラスの内側にはっきりと目視できます。

ですから口中でもピチピチとフレッシュに弾け

グッと押し寄せてくる旨味 しっかりとした余韻を感じる

リッチな味わいが印象的です。

香りは洋梨、メロン、バナナのような粘度のあるキャラクターに

バターを思わすクリーミーさを感じ、更に柿やビワのような

渋めな香りが混在し全体をうまく引き締めています。

山田錦に比べ、酒度、酸度がやや低いことから

ふくよかに旨みを感じ取れ、中味の独特なビターなアクセントが特徴です。

キレは申し分なく 余韻も爽やかです。

今から涼しくなる季節へと移り変わるにつれ

秋の食材との相性はとても良いでしょう。

お奨めします。




 

ラン仲間 やすらかに・・

カテゴリー │友人ランニング

今朝ランは 馬込川を中田島方面へ下り往復するコース

13キロをゆっくりと。

お盆も過ぎ 風もやや涼しくなりました。

蝉の声も弱弱しく、秋はもうそこまで来てますね。



先日 ランニング仲間の一人が天に召されました。

私より 6歳も若い彼ですが、最初に会ったときは

その風貌と醸しだす空気感に 『俺よりジジイが居た・・・』

と思ったものです。

彼が私に敬語で話かけることに違和感を覚えるほどに

歳の差が感じられませんでした。


そんな彼が 何年か前に 癌の宣告を受け

ステージ4 ということで、走るのは止めていました。

同時期に ジム仲間にもステージ4を宣告された人がおり

私より10歳若い彼は、半年で逝ってしまわれました。


それから4年ぐらいが経ったでしょうか。

ランニング仲間の彼は、酒も止めずに過ごしていました。

たまに佐鳴湖に顔を出すと、陰でタバコを吸う姿に驚いたものです。

彼が、今日まで生き続けられたのは、ある意味奇跡とも言えます。

小心者の私がその立場なら、医師の言うとおりにして、なるべく大人しく

療養することでしょう。

彼は 身体だけでなく、きっと心の強い人だったんだなあ

そして家族愛にも満ちた人だったのは、彼のFBからもうかがえました。

Tくん 安らかにお眠り下さい。

君のことは忘れません。