七割五分のひやおろし

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吟醸酒は、米を磨いて磨いて中心部の上質の
デンプン質だけにし、そこに麹菌の菌糸を深く
浸透させ糖分を造り出し、酵母はそれをエネル
ギーにしてアルコール発酵を行う。

簡単に言うと、そういう図式なんですが、
では、米を磨かずに酒を醸すと、どんな味に
なるのでしょうか。


吟醸酒は精米歩合が60%以上ですが、精米歩合
75% つまり25%しか糠として削らない米で
醸した純米酒なんて
雑味があって、くどくて、とても飲めたものじゃない。


と、少し日本酒のことを勉強された方なら思われる
でしょう。

ところが、あえて 米を削らずに醸す純米酒があるのです。
それも、雄町(おまち) や 愛山(あいやま) と言った
高価な酒造好適米で。

佐賀県の小京都 小城の蔵 天山酒造さんから入荷したのは
七田 七割五分磨き 純米ひやおろし
雄町 と 愛山 の2種類です。
 
七割五分のひやおろし

この 七割五分磨き は、39% とか 23% という
信じられない精米歩合でコストパフォーマンスの高い
純米大吟醸を世に出した 獺祭の旭酒造さんへの
アンチテーゼ として商品化したそうです。

あちらさんが、思いっきり磨いて造るなら
こっちは 思いっきり磨かずに美味しい酒を造ろう。

小売店の立場では、どちらの酒もいい。
と言うか どっちの酒も 売れればいい (・ω・)\バシッ

だって それぞれの良さがあるんですもの。

■七田 純米七割五分磨き 雄町ひやおろし 22BY   
雄町は去年 あっという間に売れてしまったほど
大評判の純米酒です。

香りは黒蜜のような複雑な和の芳香。口に含むと
穏やかな酸と舌をマイルドに包み込むような奥ゆかしい
雄町らしい味わいの幅を感じます。

半年熟成させることで、味の広がりに落ち着きと、
気品が加味されています。

鼻に抜ける香りは、イチジクとも柿とも表現できる
ふるさとの果物の落ち着いた甘みの再現。後口は、
ほのかに酸を残しながら、心地良く上品な余韻を残します。

きれい過ぎないところが、このお酒の真骨頂。
正に、味を楽しむ純米酒と言えるでしょう。

■七田 純米七割五分磨き 愛山ひやおろし 22BY   
愛山は、今年初めて入荷した ひやおろしです。
香りはザクロやびわのような和の果実を連想。
口に含むと、穏やかな酸が顔を出し、舌の上に米の
エキスを漂わせます。鼻に抜ける香りに熟成による
落ち着いた錬成の旨みを残し、やがて静かに切れていきます。

これも実に美味しい。

ビル・エヴァンス のような 繊細で叙情的な
ジャズがあれば

セロニアス・モンク のように オリジナリティに
優れ 分厚いジャズもある。








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この記事へのコメント
うん!いいたとえです。
Posted by JUNパパJUNパパ at 2011年09月10日 06:32
JUNパパさん
 短いコメントですが、とてもうれしいです。 ありがとう。
Posted by 静岡酵母 at 2011年09月10日 08:03
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    コメント(2)