喜久醉 普通酒

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先日の 喜久醉と蕎麦を愉しむ会。

数あるお酒の中で、酒通を唸らせたのが

喜久醉 普通酒

喜久醉 普通酒

もちろん、大吟醸や松下米純米大吟醸など

最高峰のお酒の素晴らしさも、ゆるぎない事実

なんですが

1.8Lで 1785円のお酒 のインパクトたるや

それはそれは すごいものがありました。

ぬる目の燗 40℃ぐらいでお出ししたのですが

適度な旨みを残しながら、スルスルと入ってしまう。

中には 冷やで飲みたいというお客様もいらしたので

一升瓶の底に5センチぐらい残っていたものを

そのまま常温で飲んでいただきました。

この普通酒 なにがすごいかと言うと、無駄な主張を

しないんですね。例えば、普通酒なのに 吟醸香が

あるとか、普通酒なのに やたら透明感があるとか。

身の丈に合わない主張はなし なんです。

では 水の様か というと、それも違うんです。

日本酒のあるべき姿。

料理を邪魔せず、日本酒としての旨みも感じさせる

絶妙のバランスで、それが保たれているのが、すごい。

喜久醉さん、以前は 本醸造 がありましたが

いつしか 廃番になってしまいました。

それは、2100円の特別本醸造 があり

1785円 の普通酒があると、本醸造のポジション

の必要性が無くなってしまったから。

そもそも 特別本醸造は 当時2340円ぐらいで

販売されていたのです。それを、本醸造をやめる

ということで2100円まで値下げをしたんですね。

専務のお話では、瓶を緑から茶色にしたり、ラベルの

紙質をコストの安いものに代えたりと、中身を

いじらずに如何に価格を下げるかと、苦労されたとか。

結果的に、タンク3本分の本醸造の売上を、特別

本醸造や普通酒でまかない、五年後にはプラスに

転じて現在に至る というわけです。

まさに英断でしたね。

でも、日本酒には、ギフト需要というのがあり、

昔の いわゆる一級酒の価格帯 現在 上撰という

呼び方で残っていますが、1930円前後の価格帯。

これはあっても良いもの。

でも、喜久醉さんは それをスッパリと切ってしまった。

ここからは私の想像ですが、旧来の価値観でのギフト

需要より、納得できる中身での存在感を大切にした。

 ということでしょうか。

普通酒のラベルには カタカナで フツウシュ と

明記されています。 普通 であることへのこだわり。

でもそれは、 “普通 でない 普通酒”を造っている

ことの自信の裏返し。 


喜久醉 という蔵の 奥深さを、今回の愉しむ会で

再認識させられました。 



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