土地の詩 秋の純米

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土地の詩 秋の純米

静岡市の萩錦酒造さんから

この蔵のひやおろしとなる純米酒が入荷しました。

一回火入のこの純米酒は

ユニークなラベルと、正統派の静岡酒たる

コクとなめらかさが同居する酒質との対比が

面白い1本だと思います。


◆萩錦 土地の詩 秋の純米 4BY


1年を通じて一つのタンクのお酒の

季節による味わいの変化を楽しんでいただきたい

というコンセプトに基づき

今年の秋の純米は原酒で仕立てられています。

穏やかな中に静岡酒らしい米を意識する

爽やかな香りを感じ取れます。

含むと骨太の旨みとキリリと締まる後味が特徴。

このまま冷やも良し、少し温めると原酒ならではの

味のふくらみをお楽しみいただけます。



土地の詩 秋の純米

さて 昨日は日本酒教室でした。

テーマは 酒の歌 俳句編

以前 和歌編というのを行いましたが

今回は俳句です。

酒にまつわる俳句って 江戸期以降

星の数ほどありますが

松尾芭蕉から山口誓子まで

有名な俳人の句を21句用意し解説を試みました。

私は俳句をひねったりはしませんが

名句を嗜むのは好きです。

その中から生徒さんに受けが良かったのをいくつか。


酒を妻 つまを妾の 花見かな      宝井其角

妻と一緒に花見に来てるわけだが満開の桜の下で飲む酒は本当に美味い。
まぁ大きな声じゃ言えないけど、俺にとっちゃ、酒が本妻、妻が妾かな。 
やばいですね。今なら即離婚ですね。


酒十駄 ゆりもて行や 夏こだち   与謝蕪村

当時の酒造地である伊丹、池田などから京、大坂へ火入の済んだ酒樽を
夏木立の中を陸送している情景。一駄は四斗樽二つを馬の背中に載せること。
酒十駄とは十頭の馬と十人の馬方が通る様となります。
まるで映画のワンシーンのようです。


名月や 石の上なる 茶わん酒    小林一茶

風情のある美しい月を眺めながら飲むお酒は、きれいなお猪口ではなく
茶わんに入れたもので酒面に映る月を観ながら飲りたいものだ。
腰かけるのは石の上。口を付けるたびに広がるお酒の味わいが想像できます。

酒もすき  餅もすきなり  今朝の春   高浜虚子

若き虚子(18歳)が元日に子規に見せた句。いかにも自然で伸びやか
正月の楽しさが伝わってきます。 お酒は二十歳になってからにしましょう。


櫂入れて 金輪際に とどく見ゆ   後藤夜半

寒造りの酒蔵風景。夜半は虚子の門下で東灘区在住。
灘の酒蔵にて櫂入れ唄を歌いながらもと摺りを行う様子を吟じたのですが
当時としては当たり前の生もと造りです。
金輪際は  ひたすらにとか徹底的にという意。
見ゆは ただ見えるではなく感じられるという意味も含むそうです。



日本酒教室は10月から新たな6回コースが始まります。

酒にまつわるお話をいろいろな角度で取り上げます。

もちろん毎回 試飲も おつまみも あります。



◎粋に愉しむ 日本酒ワールド 金曜


◎粋に愉しむ 日本酒ワールド 木曜


浜松市近辺の方 いかがでしょうか。





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