静岡酵母の　酒とJAZZとランの日々

今朝は 久しぶりに晴れたので 馬込川早朝ラン15キロ。

身体は重いが 風が爽やかで走りよい。


重い と言えば 輪郭の太い重口 の新潟酒があります。

重口 と記すより 旨口 と表現した方が 酒屋ビジネス的

には良いのかもしれませんが、軽くないお酒ですから

ここはやはり 重口 でしょう。

でも ただ重いのではなく しっかりと味があり キレは佳し。

そして 新潟酒なのに 造り手は 南部杜氏です。




◆菱湖(りょうこ) 純米吟醸 仕込5号 29BY

新潟県の蔵に南部杜氏を招聘して醸された限定品。

香りは穏やかで、胡麻団子のようなニュアンスもかすかに。

含むと、やや強めの酸が顔を出すもすぐに霧散し

味わいの線は太くメリハリの効いた旨みが口中に広がり

やがて静かに綺麗に切れて行きます。

この余韻のスムースなところが次の一杯に自然と手が伸びる

ポイントでしょう。

南部杜氏が造る新潟酒。

それは従来のイメージでは説明しきれない個性であることは

確かに言えます。

ちなみに このお蔵　峰乃白梅酒造がある新潟市西蒲区は

江戸期に越後国巻と言う地名でした。

そこは 江戸時代後期の書家 巻菱湖(まきりょうこ)の生誕地です。

菱湖は、篆書・隷書・楷書・行書・草書・仮名のすべてに巧みで

特に楷書を得意としたそうです。

平明で端麗な書体は、千字文などにより、世に広く書の手本として

用いられ、「菱湖流」と呼ばれた書風は幕末から明治にかけての

書道界に大きな影響を与えたとか。

現在では将棋の駒において、銘駒と呼ばれる書体の1つが菱湖体で

タイトル戦などで使用される高級な駒などによく用いられており

名棋士にこの書体を好む人が多いそうです。

そんな　菱湖にちなんでの　酒名です。

夏の爽やかなお酒とは明らかに違いますが

こういうタイプも　酒ライフには必要です。



◆菱湖(りょうこ) 純米吟醸 仕込5号 29BY