静岡酵母の　酒とJAZZとランの日々

とある街の　とあるジャズバー　でのお話。

あるお盆の日　里帰りなのか　そのジャズバーを

ジャズピアニストの　上原ひろみ　が突然訪れた。

彼女は数年前の暮れにも　旦那を伴って突然現れ

マスターに許しを得て、自らピアノを弾いたことがある。

その日も、何曲かソロで弾いたそうな。

居合わせた客は、ラッキーこのうえない。

と同時に、

同時刻どこかの居酒屋で飲んだくれていた自分が情けない。

マスターは記念にと、グランドピアノの内側にサインを

所望したところ、快く書いてくれたとか。



さて、その数日後　その店でジャズライブがあった。

その日の主役の　ある女性ピアニストにも、マスターは

ピアノへのサインを所望したそうな。

そのピアニストも、快く書いてくれたのだが、

ふっと横を見ると先客のサインがあることに気づいた。

『このサインは誰なの？』　

『先日プライベートで来てくれた上原ひろみさんです。』

『・・・ふーん　知らな～い』

と口元に微笑を湛えたそうな。


いい話だなあ。(笑)

ある女性ピアニスト　あんたはやっぱりそうでなきゃ。

本当に知らないとすれば、それはそれですごいこと。

他人のことなんか興味ないわよ。　というスタンスは

アーティストとしての王道だあ。

もし　知っていて　とぼけたとしたら

(９９％こっちだと思うが)　それもいいねえ。

ピアノの内側で　一瞬火花が散ったかな。


個人的な好き嫌いを言うと、

アルバムは　　あんたの方がずっといいと思う。

ライブは　　　引き分け。

性格は　　　　言わぬが花～