2008年03月25日22:49
静岡市の もくせい会館で行われた静岡県清酒鑑評会
のきき酒会に出かける。鑑評会の出品酒が一同にライン
ナップされるこの催しは、毎年必ず参加しているが、
今年も素晴らしい酒に出会えた。
まず ◆吟醸酒の部で知事賞を受賞した 藤枝市の喜久醉
(きくよい)
この知事賞受賞酒は、トータルバランスで頭抜けていた。
香りは穏やかなのだが、口に含むと一気に気品ある旨みが
膨らむ。そして、さらさらと遮るものがなく、喉もとを心地
よく過ぎていく。
この蔵の大吟醸は、どちらかというと、ストイックで控えめな
印象があったが、この大吟醸は違う。近年になく、この時期で
味の主張をしっかりとしている。
杜氏の青島氏に聞くと、今年は吸水を大胆に施したとか。
それは、ここ10年来米を育ててきたことで培われた“カン”の
ようなもので、兵庫の山田錦に触れてみて、水をしっかりと
吸わせる必要性を感じたそうである。
吟醸の部で次席となった 英君も素晴らしかった。
味の凝縮感を感じさせながら、後口のキレが鋭い。
千寿も、過去のイメージとは全然違う気品に驚いた。
ほかには、忠正のマイルド感、開運の濃厚な味わい、などが
印象に残った。
◆純米酒の部の知事賞は 掛川市の開運。
この時期としては十分すぎるほどに味のノリがあり、ジューシー
なのに透明感を感じる。キレはもちろん良いのだが、余韻が長く
続いていく。
次席の喜久醉も、味のノリが良く、香りに静かな気品を感じさせ
ながらも、口中ではしっかりと主張する。
磯自慢は、とにかく軽快。スルスルと入りながらキレが素晴らしい。
千寿はこの純米においても、やわらかな気品が印象に残った。
そして、高砂のトータルバランスの素晴らしさも、記憶に残った。
さて、開運の純米の部で受賞したお酒は、5号タンクのものとなるが
先日入荷した 波瀬正吉斗瓶取り純米大吟醸が、まさにそれ。
斗瓶こそ違えど、同じタンクのモロミを吊るして滴を取ったものである。
喜久醉は、知事賞と同じタンクのお酒が世に出るのは、5月~6月ごろ
になる見込み。ただし、火を入れて定番の大吟醸として瓶詰めするので、
特に知事賞を名乗ることもなく、価格も変わらず、淡々と出荷される。
それは青島酒造さんの価値観からすると、ごくごく自然なことなのです。
最後に、会場で遭遇したちょっとまゆをひそめる連中の話。
4、5人の中年男性のグループがいたのだが、タッパにつまみを
持参して、それを食べ食べ きき酒をしている。
グラスには8分目まで酒を注いでいる。明らかに、入れすぎ。
「こっか はいいねえ」「おれも こっか 好きだよ」と話をしている。
多分 國香(こっこう)のことなのだろう。國香を褒めてくれるのは
うれしいが、つまみ持参はないだろう。つまみの香りが立ち込めて
お酒の香りがぼやけてしまう。
思えば、720mlで3000円から5000円クラスの酒ばかり
無料で飲めるわけだから、のん兵衛達にはたまらない立ち飲み場
かもしれない。
こういう輩は、主催者が毅然として注意すべきでしょう。
入場無料だからこそ、退室していただいても良いのでは。
昔は、こんな連中は来なかったけどなあ。
どこかの蔵の、蔵開きを思い出してしまった。
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静岡市の もくせい会館で行われた静岡県清酒鑑評会
のきき酒会に出かける。鑑評会の出品酒が一同にライン
ナップされるこの催しは、毎年必ず参加しているが、
今年も素晴らしい酒に出会えた。
まず ◆吟醸酒の部で知事賞を受賞した 藤枝市の喜久醉
(きくよい)
この知事賞受賞酒は、トータルバランスで頭抜けていた。
香りは穏やかなのだが、口に含むと一気に気品ある旨みが
膨らむ。そして、さらさらと遮るものがなく、喉もとを心地
よく過ぎていく。
この蔵の大吟醸は、どちらかというと、ストイックで控えめな
印象があったが、この大吟醸は違う。近年になく、この時期で
味の主張をしっかりとしている。
杜氏の青島氏に聞くと、今年は吸水を大胆に施したとか。
それは、ここ10年来米を育ててきたことで培われた“カン”の
ようなもので、兵庫の山田錦に触れてみて、水をしっかりと
吸わせる必要性を感じたそうである。
吟醸の部で次席となった 英君も素晴らしかった。
味の凝縮感を感じさせながら、後口のキレが鋭い。
千寿も、過去のイメージとは全然違う気品に驚いた。
ほかには、忠正のマイルド感、開運の濃厚な味わい、などが
印象に残った。
◆純米酒の部の知事賞は 掛川市の開運。
この時期としては十分すぎるほどに味のノリがあり、ジューシー
なのに透明感を感じる。キレはもちろん良いのだが、余韻が長く
続いていく。
次席の喜久醉も、味のノリが良く、香りに静かな気品を感じさせ
ながらも、口中ではしっかりと主張する。
磯自慢は、とにかく軽快。スルスルと入りながらキレが素晴らしい。
千寿はこの純米においても、やわらかな気品が印象に残った。
そして、高砂のトータルバランスの素晴らしさも、記憶に残った。
さて、開運の純米の部で受賞したお酒は、5号タンクのものとなるが
先日入荷した 波瀬正吉斗瓶取り純米大吟醸が、まさにそれ。
斗瓶こそ違えど、同じタンクのモロミを吊るして滴を取ったものである。
喜久醉は、知事賞と同じタンクのお酒が世に出るのは、5月~6月ごろ
になる見込み。ただし、火を入れて定番の大吟醸として瓶詰めするので、
特に知事賞を名乗ることもなく、価格も変わらず、淡々と出荷される。
それは青島酒造さんの価値観からすると、ごくごく自然なことなのです。
最後に、会場で遭遇したちょっとまゆをひそめる連中の話。
4、5人の中年男性のグループがいたのだが、タッパにつまみを
持参して、それを食べ食べ きき酒をしている。
グラスには8分目まで酒を注いでいる。明らかに、入れすぎ。
「こっか はいいねえ」「おれも こっか 好きだよ」と話をしている。
多分 國香(こっこう)のことなのだろう。國香を褒めてくれるのは
うれしいが、つまみ持参はないだろう。つまみの香りが立ち込めて
お酒の香りがぼやけてしまう。
思えば、720mlで3000円から5000円クラスの酒ばかり
無料で飲めるわけだから、のん兵衛達にはたまらない立ち飲み場
かもしれない。
こういう輩は、主催者が毅然として注意すべきでしょう。
入場無料だからこそ、退室していただいても良いのでは。
昔は、こんな連中は来なかったけどなあ。
どこかの蔵の、蔵開きを思い出してしまった。
この記事へのコメント
>お誕生日おめでとうございます。
相変わらず的確なきき酒評価、尊敬するばかりです。
ますますのご活躍を!
相変わらず的確なきき酒評価、尊敬するばかりです。
ますますのご活躍を!
Posted by 旨いもの大好き at 2008年03月26日 14:11
荒川くん ありがとうございます。
それもこれも、あなたが、ブログの世界に
引っ張り込んでくれたおかげです。
感謝感謝 ちょっと後悔(笑)
それもこれも、あなたが、ブログの世界に
引っ張り込んでくれたおかげです。
感謝感謝 ちょっと後悔(笑)
Posted by 静岡酵母 at 2008年03月26日 22:14