貴田乃瀬酒の会2024年

静岡酵母

2024年02月19日 14:58

令和6年 2月17日と18日の二日にわたり

田町の貴田乃瀬さんにて恒例の

貴田乃瀬酒の会を開催しました。

こちらであらかじめ日本酒を提示し

親方にはそれに合う料理を一品ずつ提供していただき

お客様に堪能していただくという形式で行う会も

今回で10回目となります。

当日の日本酒ラインナップです。



左から提供順に
①初亀習作 瓶内二次発酵清酒 山田錦
②龍力 正統派 超辛純米酒 おりがらみ生
③遊穂 年輪 THE SECOND 純米酒
④燗酒用 志太泉 純米吟醸 ラヂオ正宗
⑤恵那山 純米大吟醸 山田錦
⑥蓬莱 純米大吟醸 極意傳
⑦蓬莱泉 空 10年古酒




お客様には、お酒とお料理の一覧表をご用意しました。



親方にはどうしてこのお酒にこのお料理なのか

を簡単にお話しいただきながら

会を進めていきました。

では一品ずつお料理とともに振り返ってみます



乾杯のお酒は シャンパングラスにて

透明のクリアーなスパークリング清酒から始めました。

①初亀習作 瓶内二次発酵清酒 山田錦
  刺身白身三点盛り


このお酒は瓶内二次発酵期間を長めに取り
澱抜き(デゴルジュマン)を施したもので
発酵由来のきめ細かで柔らかい泡と
酒造好適米の上質の旨みが調和しています。

ワインに比べ酸味が少ないので
白身魚のお刺身をお醤油でいただくことに
違和感は全く無く、お酒と同化しました。




②龍力 正統派 超辛純米酒 おりがらみ生
   擬製豆腐 貴田乃瀬アレンジ


“変化球の日本酒” 第一弾 は 超辛口のおりがらみ。
香りの第一印象は、おりがらみ由来の醪香
あるいはカルピスのような乳清の香りに
熟した梨のような香りも感じます。

口当たりが非常にやわらかく、日本酒度+11の
超辛口ですが、かすかに甘味を感じ
それが口中に広がったと思ったらストンとキレる
ユニークな味わいでした。

親方のお料理は 擬製豆腐 貴田乃瀬アレンジ
擬製(ぎせい)豆腐 というのは
裏ごしあるいは細かく崩した豆腐に他の材料や
調味料を混ぜ整形加熱したもので
辛口のお酒と口中で合わせると辛さが和らぎました。




③遊穂 年輪 THE SECOND 純米酒
    鰯重ね焼き 大根ソース


“変化球の日本酒” 第二弾 は二年熟成純米酒。
綺麗な淡いレモンイエローの色調をしています。
熟成によるコクは感じますが、いわゆるナッツのような
熟成香はあまり感じません。
コクと酸味の両方を感じながら楽しむ事ができました。

お料理は 鰯重ね焼き 大根ソース
鰯をそのままではなくミルフィーユのように
重ねて焼いたもので、大根ソースが熟成酒と
バッチリと合いました。




④志太泉 純米吟醸 ラヂオ正宗の燗酒
   煮穴子焼き セロリの佃煮で


折り返し時間に燗酒をお出しすることで
お口をリフレッシュできます。

このラヂオ正宗の燗酒は、先月の日本教室で
燗酒人気投票をしたときにダントツの一位だったお酒。
純米吟醸のきれいな味わいと
生もと造りのコクが見事に調和しています。

煮穴子焼きをセロリの佃煮でいただくことで
42℃~45℃の上燗が進むこと進むこと。




⑤恵那山 純米大吟醸 山田錦
   キチジのフリット 魚介のトマトソース


ここからは ゆるい直球のお酒が続きます。
恵那山は山田錦35%精米の一回火入の純米大吟醸
香りも味わいのひろがりも決してスピーディではなく
ゆるやかに広がります。

キチジとはキンキのことで、メレンゲの入った衣で揚げた
フリットを魚介のトマトソースでいただきました。
イタリア料理に寄せたメニューと正統派の純米大吟醸との
組み合わせは最高でした。




⑥蓬莱 純米大吟醸 極意傳
   大根の桂むき豚巻き煮


2023年度名古屋国税局酒類鑑評会
出品酒98種の中の第一位 名古屋国税局長賞受賞の
純米大吟醸で、素晴らしくキレの良いお酒です。

お料理の大根の桂むき豚巻き煮はいわゆる椀もので
上品な出汁と気品を感じる純米大吟が見事に
マリアージュしていました。




⑦蓬莱泉 空 10年古酒
あんぽ柿の天ぷら風 チャレンジ


蓬莱泉空の10年古酒は4年に一度発売される
希少酒で、最後にまた“変化球”を投げました。

親方曰く  古酒には甘いお料理が合うのでは・・・
ということで、最後を飾るメニューはあんぽ柿の天ぷら風
干し柿とは違い、とろける果肉と優しい甘さが魅力の柿で
中にはあんこも埋め込んでおり古酒との相性はとても
良かったと思います。



最後にデザートとして出たのが女将さん手造りの
紅玉リンゴのタルトタタン 
これも空の古酒を嗜みながらいただくと
普段では味わえないこの会ならではのペアリング
となりました。

今回のお酒とお料理も参加された皆さんから
高評価をいただきました。
“変化球”を交えながらも7種類の日本酒を選定した
甲斐があったというものです。





最後に 参加された方に締めをお願いして
お開きといたしました。
参加されたお客様 ありがとうございました。



そして親方 女将さん アルバイトのお姉さま
二日間にわたってお世話になりました。
また次回もよろしくお願いします。




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