地酒と蕎麦の会2023

静岡酵母

2023年11月27日 12:02

令和5年11月26日 日曜

浜松市中区砂山町の 手打ち蕎麦一さんにて

地酒と蕎麦・蕎麦前料理を楽しむ会を

24名のお客様とともに開催しました。



この会の募集はブログやHP、FBで始めたのですが

告知から5日で満杯となった人気のイベントです。



今回のゲストは 篤農家の松下明弘さん。

喜久醉の松下米の松下さんです。

この会は今回で13回目となりますが

酒蔵以外の方をゲストとしてお招きするのは

初めてです。

松下さんは米に関する事ならなんでもお話します。

ということで会はスタートしました。

今回の日本酒ラインナップは提供順に

①英君 純米にごり生酒スプラッシュ
②七田 七割五分磨き愛山無濾過生
③十六代九郎右衛門 「柿」純米三年熟成酒 生もと
④燗酒として 十六代九郎右衛門 「栗」純米三年熟成酒 山廃
⑤長珍 純米吟醸 山田錦
⑥高砂 山廃純米大吟醸 愛山
⑦喜久醉 松下米 純米吟醸
⑧喜久醉 松下米 純米大吟醸
番外 喜久醉 普通酒しぼりたて生酒 2015BY




英君の新酒 英君純米にごりスプラッシュを

乾杯の酒として会は始まりました。

一升瓶の封を開けるとき、ポンッと栓が飛びましたが

吹き出すことはなくスムースに酒器へと注げました。

スッキリとした辛口の活性にごり酒でキレの良いお酒でした。

同時にお出ししたのは 七田 七割五分磨き愛山無濾過生

冷蔵庫で8カ月間短期熟成されたお酒です。

やや甘さを感じますが、これは愛山の甘さと熟成による丸さが

適度にミックスされたものと考えられます。



ここで 松下さんが愛山のルーツについて話されました。

穏やかな酸が顔を出し、舌の上に米のエキスを漂わせました。



お料理は 珍味プレートとして

鴨燻製・鮪アボガド・塩銀杏・なめこおろし・帆立返し漬け・もろきゅう



続いてのお酒は 十六代九郎右衛門 「柿」純米三年熟成酒 生もと

長野県木曽郡の湯川酒造店の三年熟成酒です。

熟成酒らしい山吹色が印象的。

味わいもコクと酸が際立つも渋みや老ね香はゼロです。

使用米は長野県生まれの「金紋錦」を80%精米。

松下さんは 金紋錦について同じ長野県産の美山錦と比較し

その特長や米の歴史を話されました。

お料理は やまいもそうめん



続いてお出ししたのはこのお酒の山廃造りです。

同じ規格の純米酒を生もとと山廃で同時に発売されたので

飲み比べとしました。

ただし山廃の方は生もとより更に酸が高いので

40℃ぐらいの燗酒としてお出ししました。

お料理は 鴨の治部煮

甘く濃いめの味付けで、これが見事に合いました。

ここまで比較的米の精白度の低いお酒をお出ししたのですが

これは松下さんのご希望に沿ったためです。

ここからはいよいよ後半戦。



5番目のお酒は 長珍 純米吟醸 山田錦

愛知県の長珍は 松下さんも普段から愛飲されているそうで

蔵に関すること 山田錦に関することをお話しいただきました。

お料理は 蒸し海老真丈

硬派の骨格を示しながら、後口に苦味や渋みを

全く残さないキレ味の良い味吟醸との相性はグッドでした。



続いて6番目のお酒は 高砂 山廃純米大吟醸 愛山

こちらは愛山を40%精米した純米大吟醸ですが

山廃造りですので香りは穏やか。

愛山らしいジューシーな旨みが口中に広がり

やがて鼻に抜ける香りが濃厚な色合いを見せるも

スムースに抜けて後口はどこまでも爽やか。

かすかに返す風味が山廃らしさを意識させます。

お料理は 海老芋の揚げ出し

削ったばかりの鰹節の風味も良く、蕎麦屋さんらしく

濃いめの味付けですが、これも実に合いましたね。



そして最後にお出しした2本が本日の主役です。

まずは 喜久醉 松下米50 純米吟醸

松下さんが有機無農薬で栽培された山田錦を

50%精米した純米吟醸です。

素晴らしい透明感と喜久醉らしいきれいな旨みが

凝縮されています。

ここで有機無農薬の山田錦についてと

松下米の生い立ちなどを松下さんにお話しいただきました。

先代の青島社長や富山杜氏についてのお話も

懐かしく聞かせてもらいました。

蕎麦焼き味噌をつまみながら美酒を堪能。

そして最後を飾るは 喜久醉 松下米40 純米大吟醸

さらに透明感が際立ち、良い意味で水のように

さえぎるものがなく喉を通ります。

さすがに松下米です。



お料理の締めはお蕎麦。

いつもなら冷たいせいろですが、寒くなってきたので

今回は暖かい かけ蕎麦をご用意いただきました。

濃いめの汁ですがこれが美味しいのです。

これですべて終了の予定でしたが最後に古酒の登場。

それも既に廃番となった 喜久醉 普通酒しぼりたて生酒

参加されたお客様からご提供いただきました。


このお酒 8年前に出た最後の生酒で冷蔵庫で

保管してあったわけですが、老ね香も熟成香もなく

やや甘さを感じるもののとても普通酒とは思えない

完成度の高さは当時のままでした。

一刻者の大将 ありがとうございます。





松下さんは他の席にも顔を出しお客様の質問に

応えるなど会を盛り上げていただきました。

おかげさまで今回も

楽しく美味しくためになるお話で

充実の3時間となりました。



最後に松下さんに締めの一丁締めでお開きです。



そして 蕎麦一さんの店長とスタッフの皆様

今回もお世話になりました。

来年もよろしくお願いします。




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