ジョアン 声とギター

静岡酵母

2008年07月15日 07:43

夏になると、無性に ボサノヴァを聴きたくなる。

決して英語で甘く歌われたものでなく、
ポルトガル語で語るように、ささやくように、つぶやくように、
心の内を吐露したものがいい。
シンプルにギター1本で歌われたものなら、なおいい。



ジョアン・ジルベルト の『ジョアン 声とギター』2000年の名盤。

【曲目】

1. Desde Que O Samba E Samba
2. Voce Vai Ver
3. Eclipse
4. Nao Vou Pra Casa
5. Desafinado
6. Eu Vim Da Bahia
7. Coracao Vagabundo
8. Da Cor Do Pecado
9. Segredo
10. Chega De Saudade

【Personnel】

Joao Gilberto : Vocal・Guitar


このアルバムは、ジョアン・ジルベルトがギターを弾き語りする、
全曲30分あまりの非常にシンプルなもの。しかし、そこから醸し
出される世界は、ボサノヴァという音楽の原点と、不要なものを全て
剥ぎとった“歌”そのもの。

タイトルをいくつか邦訳すると

1.「サンバがサンバであるからには」 
2.「思い知るがいいさ」
4.「僕は家へは戻らない」
8.「罪の色」
9.「秘密」
10.「想いあふれて」

タイトルを読むだけで、もうボサノヴァだ。

彼は、一聴語るようにぼそぼそと歌っているものの、緻密に構成された
演奏は、聴く者の心を掴んで離さない。30分があっという間に終るの
だが、決して短いとは感じさせないところがすごい。

聴け!とばかりの力勝負とは対極の位置で歌っているのに、目に見えない
力に吸いよせられるようである。

彼の発するポルトガル語は、多分彼にしか表現できない独特のもので、
言葉がそのまま歌になるという、希有な存在ではないだろうか。
ポルトガル語はまったく理解できませんが、彼の“言葉”は心にストン
と入る。

   “歌”って、不思議なものです。

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