Beppinつや姫うすにごり と 鎌倉

静岡酵母

2025年03月04日 13:26

日曜までは半袖でもいいぐらいの春の陽気でしたが

昨日からまた冬に逆戻り。

皆様 体調を崩されておりませんでしょうか。

酒屋という商売 飲み手のお客様が健康でおられる

というのが第一条件ですのでご自愛下さい。



本日 ご紹介するお酒は 楚々として滋味溢れる1本です。


◆鯉川 純米吟醸 Beppinつや姫うすにごり 6BY

山形県鶴岡市の井上農場産米『つや姫』

100%使用の純米吟醸のうすにごり酒となります。

井上農場は安全な米作りを目指して有機肥料を使用。

農薬も通常の7割減にて栽培されています。

そもそも 『つや姫』 は酒米ではなく

山形県や宮城県で人気のれっきとした飯米。

ですから去年より米価は大幅に上がり酒価も上がっています。

ただ価格が上がったとしてもこのお酒の存在意義は確かにあります。

このお酒 生ではなく一回火入れ。

清楚で穏やかな麹香がグラスから立ちます。

色はうすにごりと言うより、しっかりと濁っています。

口当たりがしなやかでいてシャープ

余計な味わいをそぎ落としたように、真白で純粋。

きりっとしていて切れ味抜群の辛口酒。

まさに、小股の切れ上がったべっぴんさんです。

このまま冷やもよし ぬるめの燗もお奨めです。

一度お試しください。



燗酒 と言えば 先日の日曜 燗酒を愉しむため鎌倉へ行きました。

鎌倉駅近くの居酒屋さんで 燗酒の会があるというので

お客様に誘われて参加したのですが久しぶりの鎌倉です。

過去には何度も訪れていますが

まだ行っていない所がいくつもあるので

たぶん観光客が少ないことを見越して寺巡りをしました。



最初は鎌倉で一番古いお寺 杉本寺へ



奈良時代創建のお寺で運慶作の仁王像がお出迎え。



この苔むした石段は立入禁止で横の石段で本堂に上がります。

見事な苔に圧倒されますが

仮にここを登ったとしても無事に上までたどり着かないでしょう。




本堂の茅葺き屋根は素晴らしいものがあり

正面に安置されている源頼朝公寄進の前立本尊十一面観音を拝みました。



続いて訪れたのは 浄妙寺

鎌倉五山の一つで ちょうど鎌倉幕府が開かれたころの創建。



境内の梅がとても綺麗でした。



足利貞氏の墓と伝承されるこの横穴式墳墓は

鎌倉ならではのもの。



浄妙寺の境内には お寺がオーナーとするレストランがあります。

石釜ガーデンテラスは1922年(大正11年)にドイツ人の建築家によって

当時の貴族院議員であった犬塚勝太郎氏の自宅として建てられました。

その後 2000年に石釜ガーデンテラスとしてオープン。


ランチプレートと鎌倉ビールで、お寺とは異次元の昼食を愉しみました。



三番目に訪れたのは 報国寺

室町初期に建てられた臨済宗建長寺派の寺院です。


ここにも横穴式墳墓があります。




「竹の寺」と呼ばれている報国寺には約2000本もの孟宗竹が植えられており

美しく手入れされた竹の庭園は見事でした。



酒の会までまだ時間があるので鎌倉ウォーキング。

バスで朝比奈まで行き そこから朝夷奈切通しを歩きました。





たった2.2キロの道ですが、鎌倉時代に人の手で整備された

当時の物流路は 独特の空気感を漂わす静寂の道でした。



バスで鎌倉駅まで戻り江ノ電踏切の近くにあるお店

そこが 最終目的の おおはまさん です。


ここは なかなか予約がとれない人気の居酒屋さんで

たまたま東京のお客様からお誘いを受け初めて訪れました。



大濱さんは以前に開運見学会にも参加いただいたことがあり

鎌倉おおはま つまみ 虎の巻 という本を上梓されるなど

この業界では有名な女性料理人でいらっしゃいます。

普段は日曜休みなんですが、燗酒イベントをお昼から一日二回行う

ということで、15時半からの会に参加させていただきました。

30種類の日本酒から好きな品を選び

自分で好きな温度帯で燗をつけるのですが


入口に掲示してある 燗付けのポイント書きをスマホで撮って

皆さん席に着きます。

ただ温めれば良い ということではないのです。



私が最初に選んだお酒は 奈良の みむろ杉の
特別純米 辛口 露葉風

菩提酛で有名な蔵ですが このお酒は速醸の軽快なお酒で

エキス感を感じられる味わいは燗酒にぴったりでした。



おおはまさんの日本酒セレクトは

有名銘柄とか 希少銘柄などは眼中になく

あくまでもおつまみに合う酒 というのが

このラインナップを見て判ります。



最初に出たプレートにはポテサラ や かぶの鶏ごぼう味噌添えなど

このお店の人気メニューが勢ぞろいしており

お酒が進むこと このうえなし。


この自家製シューマイもとても美味でした。


生酒でも この南なら燗をしてもバッチリでした。


燗酒と茶碗蒸し この取り合わせは王道です。


ちくわの磯部揚げ 
シンプルな素材を見事に最高の酒のつまみへと昇華させておられます。


上喜元の生酛生原酒は熱めの燗を付けても上喜元らしさを失いません。


酒名と中身のお酒がこれほど乖離しているのも珍しい。(笑)
確かに美人ではあるのですが見事な男酒でした。

このお酒の銘柄は初めて見る品でした。なんと東村山のお蔵とか。

これも奈良のお酒ですね。45℃越えで愉しみました。

締めは 塩むすび お腹一杯になりました。


最後に 大濱さんとスタッフの方も交え記念の一枚。

どのお料理もお酒も素晴らしい

おかげでとても満足の行くひと時を過ごすことができ

鎌倉まで来た甲斐がありました。

ありがとうございました。

 

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