毎日 売りと仕入れに怒涛の日々を過ごす 幸せな酒屋 です。 (笑)
今年の夏頃から 今まで取引のない蔵のお酒をスポット的に
仕入れて販売する。 というビジネスを続けています。
それは ある同業者の酒屋さんがプロデュースする日本酒で
具体的な店名や組織の名前などは、ネット上で表記できない契約です。
正直なところ半信半疑でスタートしたわけですが、これまでに
9つのお蔵の12の商品を取り扱って、外れがありません。
一回で仕入れるロット数は小さなものではありますが
売れ残る ということがないのです。
本日入荷したのは、12番目に仕入れたお酒で 高知県の
高木酒造さんの造りで、もちろん初めて口にするお酒です。
つまり、利いてから仕入れる という地酒を生業としている
酒屋にとっての基本中の基本から逸脱した、ある意味
有り得ないビジネス であるわけです。
それを許すのは、半年という短期間での信頼関係の醸成の結果
とも言えるかもしれません。
そのお酒は
◆豊能梅(とよのうめ) 純米吟醸 G×A おりがらみ生原酒 28BY
このシリーズのお酒には、必ず試飲瓶が付いてきます。
でも今回のお蔵の場合 試飲瓶が3本も入ってました。
よく見ると、全部違う仕込での純米吟醸でした。
左 米は 松山三井 酵母は 高知AC95
真ん中 米は 吟の夢 酵母は 高知AC95
右 米は 吟の夢 酵母は 高知 CEL19+AC95
つまり、微妙に米と酵母の組み合わせが違うものです。
早速に試飲したところ、商品として仕入れた真ん中のお酒
純米吟醸 G×A おりがらみ生原酒 が ベストと感じました。
香りが一番穏やかで、カブロン酸エチル系のニュアンスと
酢酸イソアミル系のニュアンスがバランス良く感じられます。
含むと、おりがらみの新酒という点もありますが、フレッシュさと
滑らかさが同居し、引きが抜群に良い。
洗練された旨み というのは、こういうお酒を言うのでしょう。
高木酒造さんは、130年の歴史を刻むも、生産石数300石あまり
の規模の小さなお蔵です。
現在五代目となる高木直之氏が若き蔵元杜氏として造りに励んで
おられますが、今回3種の試飲瓶を送ってきたところに、彼の本気度と
自信を読み取れます。
蔵の自己紹介の文言に
“五代目の夢酒” という一節がありました。
このお酒は まだまだ夢の途中 ではあるのでしょうが、夢の実現
に向けて大いに期待出来るお酒 に出会えたことに感謝です。